林哲夫さん2連発!

ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい(お父さん、それどころか連敗してますよ)。

林哲夫さんから2冊献本される。一つは中公文庫『喫茶店文学傑作選』の編者として。『喫茶店の時代』の著者として、さすが年季の入った逍遙ぶり。太宰治から山田稔まで目配りがきいて、しかも多彩な顔触れである。中戸川吉二「アップルパイ、ワン‼」などは、ここにこうして収録されなければ知ることもない1編だ。カバー絵はもちろん林さん。デザインは間村俊一さんで、こちらもさすが。山本善行による上林暁第二弾、病妻もの小説集が中公から出る。いよいよ、中公文庫がスムース文庫化する。

もう一冊は書肆よろず屋から『書店レッテル入門』。後ろ見返しに貼られた、古書店の値段票をコレクションし、図版で見せながら解説を加える。林さんらしい丹念で、美しい仕上がりの仕事だ。各店の解説もこと細かで、調べ魔の本領を発揮。ぼくもけっこう集めてはいるが、林さん、徳尾書店に比べたらまったく大したことない。亡き安野光雅さんにインタビューするとき、コレクションのスクラップ帳を見せて喜ばれたことは幸いだった。奥付に林さん肉筆彩色の特製検印紙シリアル番号付きが貼られてある。これだけで1000円の値打ちあり。部数少なし。書肆よろず屋にとりあえずアクセスせよ。