小平「パラダイス」古本バザーへ

23日、午後から雨と天気予報だったが、細いにわか雨があっただけ。高円寺「中央線展」の帰り、国分寺下車。今月いっぱいで今の店を閉じる七七舎へ。今の店は代を、ほかの人に譲り、現在、早春書店の並びの倉庫で営業を続けるとのこと。閉店セールはしないのか、としつこく問うが、北村くんは「しなくてもお客さんがあるので」と言う。

「いや、しかし、長らくのご愛顧に応えて、ということはあっていいだろう」と食い下がる。さて、どうなるか。

24日、小平市中央図書館脇の市民会館で、ひさびさ古本バザーがあると情報を得て、いそいそと出かける。コロナ禍で中止していたので、4年ぶりぐらいになるのか。10時スタートの40分ほど前に着いたが、整理番号をもらい、行列を作らなくてもいい方式に。「10」番だった。こんな若い番号は初めて。10分前に並び、ぼくの前に並ぶのは、おなじみの業者を含めた猛者たち。

今回、やや規模縮小で、いつもの3分の2ぐらいの量か。新しめの本多し。文庫、新書、雑誌、マンガが30円、単行本が50円。文庫棚に取り付き、講談社文芸文庫狙いだったが、一冊も拾えず、それでも単行本とあわせ20冊ほど。帳場には図書館友の会の方々でおなじみの顔ぶれ。挨拶をする。しかし支払いの段になり(720円)、一万円札しかない。ぺこぺこ詫びて、近くのスーパーで弁当を買って万札を崩す。ふたたび会場へ。二度見する。

この数日、読み始めた池波正太郎剣客商売』シリーズがごっそり出ていて、読了済みの1巻と『十番斬り』以外、スピンオフや料理本ガイドも含め19冊をごっそり抜く。掘り出しものはない。一冊30円だからそれでも570円と、普通なら1冊の値段。未払いの分もあわせ、払う。持参したトートバックが重たい。これでもいつもよりは少ない。

かつて、某社編集者がこの古本バザーを「古本パラダイス」と呼んだが、安さという点ではまさにパラダイス。何冊買ったらいくらになる、ということを念頭から除外できる。スマホ使用は禁止ということをおだやかに訴えた張り紙があっても、かまわず検索しながら買っている人ちらほら。ぼくはそれはしたくないのだ。つまらぬ見栄と言われても。業者の転売目的の大量買いをけん制する張り紙もあり。かつて台車を持ち込んで、注意された人もいた。

剣客商売』シリーズは、これで当分楽しめそう。藤田まこと主演のドラマ版も時代劇専門チャンネルで見る。ていねいに作られているので驚く。録画したポランスキー戦場のピアニスト』も深く打たれながら見る。空襲で瓦礫となったワルシャワの街がなぜか美しい。まだ1回使ったきりの「青春18」きっぷの使い道をあれこれ考える。この事前研究が楽しい。千葉の佐倉へもひさしぶりに行きたいのだ。30年ほど前、雑誌の取材で民博へ行ったが、すぐ帰ってきたのだ。JRから京成まで町を歩きたい。

誕生月の3月は、毎年、なぜか物悲しくなる。