春のごとき

それはまるで春のごとき日でありました。

あたたか陽気にさそわれ国分寺へ自転車さんぽ。「七七舎」で均一2冊。あれほど買うな、と言っておるのに。思潮社現代詩大系4は函入り、裏見返しに渋谷「文紀堂書店」シールあり。即売会用の「りぶる・りべろ」さん短冊、そして書店用のスリップが挟み込まれていた。そしてなぜか「竹内勝太郎全集」月報も。それが七七舎へ。放浪者の履歴書のようだ。小学館、ゴールデンコミックスの手塚治虫全集『ふしぎな少年 1』も懐かしくて買ってしまう。このデザイン、好きだが、装丁者のクレジットなし。昭和44年頃はそうだったか。定価240円は、いまなら1000~1200円ぐらいの感じか。コーヒー88円の時代。コーヒーの約3倍だから、高かったんだ、マンガ単行本は。

「サンデー」は木下晋『いのちを刻む』ほかを。「本の雑誌」連載「憧れの住む町」(でよかったかなあ)の洲之内徹3を書いて送付。「古書通信」は渋谷「中村書店」を。頭から煙が出そうになる。「本の雑誌」次号は坪内祐三特集になる由。私の連載は見開きで400字5枚強書けるのになかなか先へ進まず、いまだに枚数と全体のページがつかめない。困ったものだ。まだ戦後へ行きつかず、深川東大工町同潤会アパートをうろうろしている。こんなにもたもたして、ちゃんと読者がいるかどうか心配になってきた。