風に吹き上げられた埃の中

寒い雨の朝。パンを切らして、ホットケーキを作る。階段は蔵書大量処分プロジェクト第二弾用の本で埋まっている。前回と同様分(1500冊)はあるか。今回は単行本の方が多い。完全に埋まっていた、本棚と本棚の間の通路に入れるようになり、奥の壁際の本棚まで見られるようになった。何年ぶりか、お久しぶりです。えいやあ、っと処分する快感モードに入っている。「うー、やー、たー!」は少年ジェット。「少年ジェット」の振り返って拳銃で風船を割り、柵のようなものを飛び越え、「シェーン!」と犬を呼び、犬も飛び越し、スクーターに少年ジェットがまたがるオープニングが、めちゃくちゃ斬新で、かっこよかった。

新型コロナウイルスの波状が押し寄せ、3月に予定していた某団体の国分寺古本屋ツアーが中止になる。スーパーでの買い物、満員電車と比較して、多くて20名のグループが古本屋巡りをするのに、それほど感染を恐れることはない、過剰反応かと思われるが、何かあった時の責任回避のため「やむなし」という言葉で封印される。こちらは企画出しをし、準備もしたわけで納得いかないが、空気を読めと言われれば口をつぐむ。

2月発売予定だった『明日咲く言葉の種をまこう』(春陽堂書店)の進行が遅れ、3月発売になりそう。3月には善行堂の本も出そうで、ひさびさに京都で一緒に何かやれたらいいが。これも「自粛」となるか。

ああぼくの時計はあの時のまま/風に吹き上げられた埃の中

二人の声も消えてしまった/あれは春だったね

(田口淑子・作詞「春だったね」)

春に向かう気分も、春も好きな季節です。