時には海へ行きたくなる

寒い雨の3月の朝。昨日は「赤旗」の「文学館へ行こう」連載取材で茅ケ崎の「開高健記念館」へ。行きは相模線、帰りは湘南新宿ライン新宿経由で戻る。ずっと開高健『開口一番』を読む。駅でレンタサイクルを借りた(一日500円)ので、海に出て、石段に座って波をずっと見ていた。心を去らぬ重いよしなしごとを、鎮めるための海だ。時々はこうして、海を見に来よう。「時には海へ行きたくなる」とは風の「3号線を左に折れ」の一節。「開高健記念館」新型コロナウイルス騒動で3月2日から臨時休館と、行って知る。危なかったなあ。『輝ける闇』『夏の闇』を久しぶりに読みたくなる。

夜は阿佐ヶ谷。一昨年11月ぶりの「新阿佐ヶ谷会」が開かれる。15名くらいだったろうか。店は貸し切り。前田速夫さん(もと「新潮」編集長)と、ずっと「新しき村」の話をする。中央線沿線在住の有志5名で高円寺へ流れ「ちんとんしゃん」で締めと思ったら、日曜は休みだったのだ。1名が知る、古いビルの2階のバーへ。87年開業というが、高円寺在住の時は知らなかった店だ。

いちにち動いて、さすがに疲れた。心がぐらついている時こそ、慎重に行動し、人には親切にしようと決めている。自力でいい目が出るように働きかけるのだ。歳を取ることも、少しは役に立っているのだろうか。

「流れていこう」の回に書いた、ゆーうつなトラブル、さっき担当者と電話で話し解決。お騒がせしました。イヤな話は書きたくないものだが、仕方なかったのである。最初に、電話一本もらっていれば「いい話」で終わったのに、2日間、苦しむことになった。言いたいことを言って、こういうことは以後、気を付けたほうがいいと説諭して、心は晴れた。仕事にはトラブルがつきもので、そこをどう乗り切るか、いつも悩ましく真剣になる。しかし、みんな悩んで大きくなるのだ。

青春18」を買ったので、房総の海でも見にいくか。