昨日は西部古書会館経由でバスにて雨中の西武新宿線「野方」駅周辺さんぽ。さんぽなので散歩堂さんにつきあってもらう。いつも申し訳ない。野方駅北側、環七の東の住宅街に耕治人が住んでいた。住居はもう取り壊されたが、どういうところに住んでいたか確かめたかったのである。
野方は久しぶり。「野方文化マーケット」(残骸ぶりがシュール)にしびれ、眼をつけていた純喫茶「無垢」へ。ここがA級の素晴らしい店であった。ウッディな内装と清潔と気品。落ち着く空間で、路地裏なのにたくさん客がいた。コーヒーを運んできた女性店員に、つい「いい店ですねえ」を繰り返す。いや、ほんといい店だわ。喫煙可で、半月ぶりぐらいにたばこ3本を吸う。野方はまだ散策の余地あり。また来て「無垢」へ入ろう。ブレンド450円。読書している人あり。
バスで中野へ出て、散歩堂さんと打ち上げ。もう一軒、「ブリック」が健在ならよかったのになあ。村上春樹が入りそうな地下のカウンターバーで締め。今朝、ビートたけしが古本屋をやっている夢を見る。ちゃんとたけしが店にいる。ビルの二階、白っぽい内装で二部屋。中央に白い台。ここに「激安」の文字が貼られ、100円以下の本が積まれている。値段は書いていない。5冊選んで、たけしに渡すと「500円」と即座に答える。「あんた、うち、どこだっけ?」というから、壁のホワイトボードに消し残しの直線があったので、それを中央線に見立てて、「ここがたけしさんの店でしょう。武蔵小金井、国分寺」と駅を書き込み、自宅を説明する。「わりと近いんだね。あのさあ。ちょっと頼みたいことがあって」と言う。棚を減らして、話をしたりするスペースを作りたいというのだ。「いいですよ、いつでも言ってください」
この「いつでも、言ってください」は散歩堂さんが、いつもぼくに言うフレーズで、夢のなかでぼくが散歩堂さんで、たけしが僕という位置らしい。たけしが古本屋を経営し、ちゃんと店番していることに不審を持たないのは夢ならでは。「ぼくもたけし、って言うんですよ」と夢の中で言えばよかった。