遠い昔のような気がするのだ。

「すこーれ」3冊書評、送る。大阿久佳乃『のどがかわいた』岬書店が紹介できてよかった。山本のジャズの本もそうだったが、こうした軽く小ぶりの本に憧れる。少しずつ、蔵書大処分プロジェクト第三弾のための整理始める。一冊ずつ見ていると、気が残るので、最後はえいやっ、で行こう。減らすことが第一義だ。

「サン毎」書評も、毎週あっというまに締め切りが来る。宇都宮直子『三國連太郎、彷徨う魂へ』をメインと考えている。『移動図書館ひまわり号』(筑摩書房、のち夏葉社)の前川恒雄さんが死去された。著者インタビューでお目にかかったのが何年前か。こうしてみると、会って話ができて、本当によかったと思う。大尊敬しておりました。取材された方が次々と鬼籍に入っていかれる。自分が、目の前にぶらさがるものに飛びつき、小手先だけで仕事をしてきたような気がする。

「ミステリマガジン」のロバート・B・パーカー特集号(2010年5月号)を買ったら、千野帽子さんの連載「誰が少年探偵団を殺そうと」で、ぼくと山本善行の共著『新・文學入門』(工作舎)を取り上げて下さっていたことに気づく。いまごろ気づくなんて。しかし、遠い昔のような気がするのだ。

電車に揺られながら房総半島を回りたい。猫が路地へ入っていく、海を目の前にした漁師町をひっそり歩きたい。口笛で「雨に濡れても」を吹くんだ。